苛立った態度を見せると、キミは少し困った顔をした。



まぁーた、そんな顔する。



そんな顔されると、俺が苦しいんだからやめてよ。



「もう18になって高校も卒業するんだし、面倒みてくれなくてもいいよ?」



俺は答えない。



キミはまた困った顔をした。



俺が困ってんだよ。



キミと一緒にいるのは兄貴として面倒をみてるんじゃなくて俺が一緒にいたいから。



そーいうの、この歳になればだんだんわかってくるもんじゃないの?



あ、キミはそういうのに鈍感だからダメか。



俺はそういうどうでもいい勘は発達してるのにキミは真逆だからな。



ちらっと見ると、気付いたキミはへらっと笑う。



「なんか、変な顔してるよ?」



キミさ、人の顔みて笑うの失礼じゃない?



キミのせいで憂えてるってのにさ。



「黙ってクダサイ。」



不機嫌にそういうと、キミははいはいとまた笑う。



ムッとした顔がそんなに可笑しいかい?



俺達を見つけた幼馴染の悪ガキが、自転車で走り去り際、口笛を吹いていった。



キミは笑顔で手を振ってるけど、奴の今の口笛は挨拶なんかじゃないからね?



俺のキミへの気持ち、知ってて冷やかしてんだからね?



ってか、気付いてないの当事者のキミだけだよ。