「零、思いだすまでは言わないって言ってたじゃねーか」


「だから、言ってたでしょ?教えないって」


な…なにがなんだか分からない…。


「なぁもう言ってもよくない?オレもう限界」


「もうちょっと我慢してくれない?」


「はぁー…分かったよ…」


「ってことだから思いだすようにがんばってね♪」


ってことだからって言われても分かりません…。


「分からないんですけど…」


「地道に頑張れば?」


瑠衣くんのきつい言葉。


地道にって言われても無理だよ…。


「じゃ、帰ろっか!」


魁くんが立ち上がって伸びた。

疲れたし、家帰ってお風呂入って寝ようかな…。


「あっ…でも女子がいるのか…どうする?零」


「あのねぇ、なんでもかんでも僕に頼らないでよ…」


零くんも大変だな…。


「おい鳴海、お前ちょっとこっち来い」


は…初めて瑠衣くんに名前で呼ばれた…。


あれ?鳴海?なるちゃん?鳴海ちゃん?なんかこの呼び方どこかで呼ばれたことがあるような…。


気のせい?


「なる、早く来い」


「はいっ!!」


あれ?な…なんで返事なんか…。


疑問に思いながらも私は瑠衣くんのもとへ行く。