思ったより気分が軽くなったので、その日は一時間目だけサボタージュし、あとの授業はきちんと出席いたしました。

私、お勉強は嫌いではありませんの。
数学は少々苦手ですが、学ぶことに抵抗がある訳ではありません。



今日もいつも通り授業が終わり、私は帰りの準備をしていました。
そして時計を見ます。

またイオの部活が終わるまでわた図書室で待とうと考えていると、私を呼ぶ声がしました。


「マコ!」


私が振り返ると、シーナが教室の出入り口で私を呼んでいるのが見えました。

シーナっていつも会いたくない時に私の前に現れます・・・。
嫌がらせかしらん?

まあ嫌では無いですし、寧ろ嬉しいのですけれどもね。


「一緒に帰ろう。話したいことがあるんだ。」


うわ、いきなり言われてしまいました。
早速この前の私の暴言についてのお話。

ちょっぴり気まずい・・・。



やっぱり無理!

そもそも心の準備がいるものではありませんか?

そんなことを思って、私はシーナの横を通り過ぎようとしました。


「は、話すことなど何もありませんわ。私、イオと帰りますから。」


立ち去ろうとする私の腕つかんで、シーナは神妙な面持ちで言いました。


「イオにはもう言ってあるから。お願いだよ
もう僕のこと、嫌いになった?」



それを聞いて私の顔は真っ赤になりました。

だってシーナ・・・物凄く可愛い顔をするんですもの。
その表情は卑怯です。

純粋無垢な子どものような眼差しで見られては、断ることなどできません。




私はためらいながらも一緒に帰ることを許可しました。