なんとか運転手の方に連絡を取り、私は難をしのぎました。

ずぶ濡れの私を見て運転手さんは驚きましたが、私は答える気力もなく家路を急ぎます。


何故あんな言葉が口をついて出てしまったのか。
何故あのタイミングで言ってしまったのか。

自分でもわかりませんでした。

“無意識の内に言ってしまった”としか言いようがありませんもの。




家に帰ってすぐに濡れた体を温めようとお風呂の用意をしました。

ジャンパースカートも、カチューシャも、ブラウスもびしょびしょ。
その上ソックスには泥が跳ね飛んでいました。

これは当然の報いです。

ロリヰタは日傘が必需品です。
今日はそれを持たずに外出したのですもの。

それにロリヰタは雨の日の代官山を全力疾走したりはしません。


これは神様から私への罰です。
きっとそうに違いありません。



お風呂に入っている間も、シーナの顔が頭から離れませんでした。


あの時のシーナ・・・すごく驚いていた。

私があんなことを言ってしまったから、きっと困っているに違いありません。


私はお心の中でずっと自分を叱咤しつづけました。



お馬鹿な子。

頭の悪い子。