遡ること、夜。

あんなに無駄に大きいお屋敷に住んでいるのは、

桜太君とその両親、そして家政婦さんと執事さんっぽい人2人。合計5人。

後はお兄さんがいるらしいけれど、今はアメリカへの留学でいないみたい。

……薩川家が大好きであろうアメリカ。もう確定で良いと思う。

あたしがちゃんと作ろうと思ったのに、

調理師免許を持った執事っぽい人、大峰(おおみね)さんに止められちゃった。

今日はあたしがお泊まりに来たからご馳走なんだって。


「桜太さんがお友達……しかも女の子を連れてくるなんて珍しいですから」


そうだろうね。あたしだって自分の家に男の子連れてきたら、

家族は皆大騒ぎする事間違いないだろうしね。