そして、とうとうやってきた花火大会の日。



あたしは花火大会に行くのがどうしても嫌で、お隣りのハルの家に避難していた。



「唯、家に戻れよ。シンさんが来るんだろ?」



「やだ」



ハルのベットの上で膝を抱えながら答えた。



「ハルだって知ってるでしょ。私が人込みダメなこと」



花火大会なんて人口密度の多いところは、当然男の密度も高くなる。



「そりゃあな、昨年は花火大会で倒れたしなぁ」