2月。もうすぐバレンタインデー。恋する乙女の季節です。


今回はロマンチックな感じになりますよーに…。
私はお菓子の本を開いていた。


「うわ…ねぇちゃん手作りにする気?やめとけって。どうせロクなもんできねぇよ」


…私は黙って弟を睨んだ。


「おー、コワ!修司さんの胃が心配だわ」


「だから勝手に入ってくんなっていつも言ってるでしょー!」


私は弟に本を投げつける。


「いいよなぁ、修司さんはいっぱいチョコもらうんだろーな…」


真知子の弟、智也が溜め息をついた。


「どーしたの?」


弟の真剣な顔に、私は少し心配になった。


「俺さ、ライバルがいるんだ」


……ハァ。


「そいつともらったチョコの数勝負する事になったんだ!」


……。


「あのねぇ、智也。チョコは数じゃないの。『気持ち』の問題よ」


良いこと言った!私。


「『気持ち』…」


まぁ、小学六年生の智也にはちょっと難しかったかな?


私は再び本を開いた。


「ねぇ、智也。アンタ何食べたい?」


「えっ。俺にも作ってくれんの?」


「余った分あげる」


「余った分かよ!」


智也は三村さんの様なツッコミをした。


「俺はこれー」


智也が指差したのは、『フォンダンショコラ』


こんなもん作れるかぁ!!!!
私は再び弟に本を投げた。