もうすぐ、大晦日。
私は全然手をつけていない年賀状を書いていた。


「絵、苦手なんだよなぁ…」


次は2006年。戌年…の、はず。


「ねえちゃん、ブタ書いてどうすんだよ!来年は、戌年だぜ!い・ぬ・ど・し!!」


やかましわ。


「すいませんねぇ。下手くそでー。アンタ犬の絵書いたハガキとか判子持ってない?」


「持ってねーよ。いいじゃん、そのブタで。下の方に『いぬ』って書いとけばいんじゃん?」


その前に無理に絵書くんじゃなかったかな…。


#~♪♯~♭~¶


電話だ。電話の相手は由梨だった。


「ハァイ。もっこりもこみちぃ?」


慎二くんの挨拶がうつった。


「真知子ぉ。終業式ぶりー。さっそく聞くけど、旅行どうだった?」


「えー。楽しかった(?)よー。何でか修司くんの叔父さんに会ってねー…」


私が話している途中に、由梨が喋りだした。


「そんな事はどーでもいいの!私が聞きたいのは、『した』か、『してない』か!!」


珍しく熱い、由梨。


「……何を?」


私は分かりながらも、もったいぶった。


「だからぁ!セックスをよ!!」


……セ…?


女の子がそんな事言いなさんな!!


「英語で言うとメイクラブね。」


……そんな説明いらないですから。