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孤独だった綾の前に現れた君はとても眩しくて。
綾は導かれるように、恋をした。
『京は……いなくならない?』
『ずっと一緒におる。守っちゃる。俺が綾にとって、何よりも大きい存在になっちゃるけん』
――綾の幸せはね?
――ん。
――京と一緒にいること。
初めての恋。幸せな日々。
だけど綾の存在は、京を困らせるだけだった。
『いつ死ぬか、分かんないの』
京は綾の全てを受け入れてくれた。
『一生涯変わらない、約束』
こんなに好きな人、二度とできない。本気でそう思った。
でも、ずっと一緒と誓った綾たちを待っていたのは、別れ。
《約束守れなくてごめん。
だけど
約束を守ることを誓うよ。》
京を失いたくなかったのに、気付いた時にはもう、何もかも手遅れで。
手を伸ばせば届く距離にいたのに、ぬくもりを求める手は行き場を失った。
考えても考えても、京と過ごした日々が鮮明に蘇る。
『……京』
逢いたい……。
【第1部:だからこそ】