ケータイ小説 野いちご

阿弥陀仏の呪い

3、無量無辺光

私がカレンちゃんの家に着くと、すでにそこには人だかりができており、警察の方も大勢詰め掛けていました。


「おばさん! おばさん、どうしたんですかっ!」

「あ、リョ、リョーコちゃん……。カレンが……、カレンが……!」


私はカレンちゃんのお母さんを見つけて、何があったのかを問いただしました。

私以上にお母さんも混乱しており、会話は要領を得ませんでしたが、どうも――


あの時、カレンちゃんから応答がなくなった後、お母さんにもカレンちゃんの悲鳴が聞こえたというのです。

大声で助けを求める娘の声に、これは尋常ではないと感じたお母さんは娘の部屋の扉を開けました。

――と、すると中から強烈な光が溢れ、お母さんはわっと驚いて、慌てて扉を閉めたそうです。

その直後、娘の悲鳴が聞こえなくなったことに気付いたお母さんは、もう一度、おそるおそる扉を開けました。

ですが、部屋の中はもぬけの殻。カレンちゃんの姿も、怪しい光もどこにもなかったというのです。


「カレン……! カレン……!」


お母さんは慌てて窓から身を乗り出します。

中に誰もいない以上、カレンちゃんが窓から落ちたと考えるのは当然でした。

マンションの11階から落ちれば、とても生きてはいられないでしょう。

ですが、窓の下にはカレンちゃんの姿は見つかりません。

お母さんは一度はホッとしたものの、カレンちゃんがいなくなったことも事実。

慌てて警察に連絡し、そして、今のような状況になっているというのです。

良く考えれば、私もカレンちゃんの悲鳴を聞いた時点で警察に通報すべきだったのかもしれません……。


結局、警察の方の捜索を経ても、窓の下には誰の姿も発見できず、また、カレンちゃんの部屋にも隠れるような場所はなく、結論としては――

非常に不可解な結論ですが――、


当面のところ、「神隠し」としか思えない状況だったのです。

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