『海、行こう!』
その日、突然晴樹が私を海に誘ってきた。
その時はもう自分の気持ちに気付いていて、誘われた時はとても嬉しかった。
その海は何回か家族や晴樹の家族とも行ったことあるし、最近では中学で同じクラスになった友達と行ったのが最後だった。
電車で三十分ほどのところにあり、家の近くにあったプールなんかより何十倍も大きくて、綺麗で。
あまり知られていないため、地元やその周辺の人しか利用しておらず、いつも平穏な空気がその海には流れていた。
しかし晴樹と行った時は、通りすがりの人しかいなくて。
理由は簡単だ。
海のシーズンがとっくの昔に終っていたから。