4月12日 金曜日。

お昼休み、晴生くんはコンビニ弁当を持って、当然のように会議室へやってくる。

「里奈さん、今夜、一緒に食事に
行きません?」

「…行きません。」

「なんでですか?
里奈さん、フリーなんだから、デート位して
くれてもいいじゃないですか?」

「デートは恋人としてください。
私は、好きでもない人とデートはできません
から。」

はぁ…
なんで、この子は、こんなに私にこだわるんだろう。

課長との事はもちろん感謝してるし、悪い子じゃないのは、分かってる。

でも、中学の頃の思い出なんて、まして、先生に抱いた恋心なんて、美化されてるから、現実を知ってがっかりするって、決まってるのに。

「好きでもない…って、ひどいなぁ。
傷つくじゃないですか?
デートは、好きになってもらうために、する
ものですよ。
少なくとも、俺は里奈さんが好きなんだから、
デートしてもいいじゃないですか?」

「…しません。」