4月1日 月曜日。

男性社員が1人異動でうちの課にやってきた。

噂では、社長の御曹司らしい。

各課を1年ごとに異動して、修行中との事だった。

「高岡晴生(たかおか はるき)です。
入社3年目の24歳です。
少しでも早く仕事を覚えて、役に立てるよう、
がんばります。」

そう明るく挨拶する彼は、課長に見劣りしない程、背が高い上に、アイドルのようにかわいらしいイケメンくんだった。

「じゃ、野原さん、高岡くんの指導係、
お願いね。」

そう、木村係長に言われて、私は、

「はい。」

と答えるしかなかった。

「野原さん、よろしくお願いします。」

と高岡くんは爽やかに笑った。

と、その直後、なぜか私の顔を覗き込んで、じっと見つめる。

「な、なに?」