side 青葉




本日3日目の通し、青葉 魁でーす。

家電の空気が重っ苦しいんだわ。誰かどうにかしてくれ。



「なー逢坂」


「………」


「なに怒った顔してんの?」


「………」


「おーうーさーかー、無視すんなー」


「…はぁ、うるさすぎる」



うちの部署、家電のアイドル逢坂くんが絶不調でございます。
















「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしています」


とは言え仕事はちゃんとこなす。
荒木と喧嘩でもしたか。


『ガザザ……青葉休憩』


「あい、おつかれっす」


この声には当分慣れないな。
だって俺と5個も変わらないぜ?山野のやつ。俺の方が年上だっての。

なんでマネージャーなんか。




休憩室に入ると何やら騒がしかった。





「こうちゃん元気ないの!?あんたなんかしたんじゃないの!?」


「は!?なんで俺!?いつ!?どのタイミングで!?」



あれ、部屋間違えたかな。



「あ、ねー。あんた誰だっけ、山ちゃん知らない?」


キッと釣ったつり目のひょろ長もやしに指を差されて多少の苛立ちを覚えつつ、冷静に心を落ち着かせた。


「事務所にいるんじゃないすかねえ」


「家電の?まじ似合わなっ」


知らねーよ。


ゲラゲラ笑い合う山野の彼女とつり目のひょろ長もやしはこっちが本命なんじゃないかってくらい仲が良い。



「なんていうかー逢坂元気ないというより、不機嫌なんだよねー。怖い〜」


休憩中の島田が胡散臭い表情でボヤいてる。


「しまが怖いわけないじゃん。なんも考えてないでしょ」


「えぇ、バレてる?」


ゲラゲラ笑ってるけど何が楽しいんだか。
精神年齢が若いんだろうな、俺とは違って。