迎えた両家顔合わせの当日朝。
私はこの間出掛けた時に玲一さんが選んでくれたフレアワンピースを着て、薄手のカーディガンを羽織り胸元には、これも玲一さんが選んでくれた可愛らしいピンクトルマリンの付いたネックレスを着けた。
ワンピースはパステルブルーでグラデーションになっており裾に行くほど薄くなる。

「莉々花、準備できましたか?」
「はい、今行きます」

部屋のドアを開けると、ダークグレーの三つ揃いをカッコ良く着こなした玲一さんがいた。
ホントに何を着てもカッコいいんだよね。

「ワンピースもネックレスもとても良く似合っていますよ」

こういう時に私を褒めることを忘れない玲一さん。
流石である。

今日の顔合わせは国内でも有名な高級ホテルの懐石料理のお店だ。
敷居を跨ぐだけで、かなりの緊張を強いられる。
なにせ、ザ庶民なので。
そんな高いお店は行ったことがないし、最近連れてかれることもあるけどそれだって数回だ。
粗相をしないで居られるか、不安が募る。

玲一さんの運転で移動して、あっという間に付いたホテルはやっぱり豪華で高級感に溢れていた。

ここにいて大丈夫?って思っちゃうくらい私には場違い感が拭えないけれど、これも玲一さんと結婚するのならば慣れていかなければならないのだろう。