退院してきた今日は、水曜日。
今週いっぱいは仕事中の怪我ということで、特休ながら見舞金扱いで休んだ分も給与が出ると経理の保険関係の課長から電話をもらった。
独り暮らしの社会人には、給与の金額が減ったら一大事である。
その説明を受けてホッとしたのがひとつ。
そして休み明けも三日ほど出勤すれば夏期休暇に入るのだ。
夏期休暇でゆっくりすれば、さすがにこの打撲や打ち身も良くなるだろう。
なので、ここにいるのは週末までと思っている。
期間限定の居候生活も、短期間で済みそうでホッとしたのが二つ目。
そして、簡単楽チンな部屋着に着替えた今。

自分の部屋から出てリビングに行くと、困った人がいた。

「せっかく、莉々花が家に居るというのに、僕は仕事に行かなければならないなんて……」

とっても心苦しそうに言うけれど、あなた、副社長だから!
平日の今日仕事行かないとか、おかしいですから!
そう内心で思いつつも口には出さない。

「大丈夫ですよ?私は、お部屋で大人しく休ませてもらいますから」

そう言うと、予想外の言葉が返ってくる。

「ここは会社から近いですからね。お昼休みには様子を見に来ますからね?」

などと言うのだ。
いや、それじゃあ私休めませんよ?
そう思うのは私だけ?

「心配なんです。だから見に来ますし、今日は接待も無いので早く帰りますからね!」

嬉々として告げられた言葉に頷きつつ、返事をした。

「分かりました、お仕事頑張って来てください。大人しく待ってますね?」