暗い顔でご飯を食べるロアナ。ここ最近はずっとこんな感じ。仕事の時も憂鬱な顔をしてる。



「なんとか参加しない様に出来ないの?」

「大泣きして抗議したけど、『子供じゃないんだからワガママ言うんじゃありません』ってママにすっごい真顔で言われたぁ〜〜!!」



ロアナはスプーンを握った手でテーブルをドンドン叩くと、そのままうつ伏した。


こんなに気さくで明るいロアナは貴族のお家の子。どうやらお家の都合でもうすぐ催されるクリフトフ王子のバースデーパーティーに出席しなければいけないらしい。そういう堅苦しいパーティーが好きじゃないロアナは憂鬱で仕方がない様だ。



「もう行かなきゃいけないなら楽しんじゃえば?」

「え?」

「ドレスとかお化粧とか髪型とか! ドレスはもう決まったの?」

「まだだけど……」

「もし見に行くなら私も付いていってもいい!? ドレスとか縁がないから色々見てみたかったんだ!」



ため息をつきながらもやっと笑ってくれた。


ロアナはお兄さんやご両親の話はしてくれるけど、お家のしがらみや大変な話は何もしない。だからこんな風に露骨に態度に出してるって事は本当に嫌なんだと思う。


友達として何もしてあげられない事が歯痒い。