今朝も早めに出勤をして受付のカウンターを拭き、お花の水を入れ替えたり、受付に置いている植木などに水やりをしてその葉を丁寧に拭いて回る。

そうして準備が終わりカウンターに落ち着く頃、先輩がやって来る。

「莉々花ちゃん、おはよう。今朝も早かったのね?無理しなくてもいいのよ?」

そう声を掛けてくれるのは鎌内志帆さん。
私より三期上の先輩である。
志帆さんは可愛らしい感じの人で愛想も良く社内で人気があるのだが、そんな彼女には社内も公認の仲の良い彼氏がいる。
それが社内人気No.2の営業部の営業2課の課長柏木周一郎である。
二人はとても仲が良く一緒に住んでいるらしい。
この間は気さくな柏木さんも交えて志帆さんと3人でご飯に行きご馳走になった。
どうやら志帆さん同様可愛がってもらえているみたい。

そして、社内の人気NO.1は捕まえれば玉の輿とハイエナ女子に人気。
我が社のプリンス、塚本玲一副社長である。
その名字が示すとおりこの会社の御曹司で次期社長である。
今日も受付を通り過ぎていく副社長にはかなりの視線が集まっていた。
それを受付から志帆さんと頭を下げて見送る。

「いいえ、好きでやらせてもらっているので。まだまだ慣れませんしこの位は」
「ほんとに、こんなにいい子で美人で可愛い子なのに。その良さがなかなか伝わらないわねぇ」

そう言って肩をポンポンとされる。