あの日の翌日首元には赤い痣が出来ていた。その印が何の意味を持つのかも分からなかった。けどその痣を見るとジーン王子の氷のように冷たい瞳を思い出すのが嫌で、痣が見えない様な洋服を着て過ごした。


国王陛下とは変わらずお会いしている。だけどあの日以来、ジーン王子が何かをするわけでもなかった。



「ビーチェ! 明日お休みでしょ? 何するの!?」

「特に決めてはないけど、どうして?」

「私もお休みなの! だから一緒にお出かけしない? 街を案内するよ!」



ロアナに誘われ、明日の休みはお出かけすることになった。


この国に来た時に馬車の中から街を見ただけで、出かけた事はない。とても賑やかな印象だけが残ってる。


あ!


街に来ていける様な洋服持ってない……国王陛下に頂いた洋服を着て行くわけにはいかないよね?しょうがないからいつもの洋服で行くしかないか……。


少しはお洒落をして行くべきなんだろうけど、街に馴染める様な流行りの洋服を何一つ持っていない。街の洋服屋さんでロアナに見立ててもらおうかな。


初めてのお出かけで胸がワクワクする。