ーはやとー


あれは、まだこうへいが生きてた頃のはなし。

学校から帰る途中、何の前触れもなく急に話し始めた。


こうへい「なあ、はやとー」

「んー?」

こうへい「もしさあー、俺が死んだらあいの事頼むな。」

「はあー?急に何だよ。」

こうへい「だってさあー、人間っていつ死ぬか分かんねえだろ?今みたいに帰ってる途中に事故って死ぬかもしんねえし!」

「まあー、そーだけどさあー」

こうへい「だからさ、今のうちに言っとこうと思ってさあー!」

「何だよそれ。不吉な事ゆーなよ。」

こうへい「ははは!でもさあ、死んでからじゃ遅いだろ?」

「まぢで、そうゆうのやめろよ。」

こうへい「俺なんて、他の人よりリスクあんじゃん?」


そう言ってこうへいは、左胸を軽く叩いた。


「だって、まだ大丈夫なんだろ?50までは普通に生きられるって。」

こうへい「ぁあ。大丈夫だ。」

「なら、そんな事考えんなよ。」

こうへい「まあー頭の片隅にでも、入れといてよ。よろしくな!」


そう言って、こうへいは家に帰って行った。



あの時、あいつは何を思ってたんだろう。

俺には、全然分からなかった。