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ここ最近は寝る暇もなく動き回ってる。教会の中はたくさんの人で埋め尽くされている。


子供の泣き声、痛みに苦しむ声、悲鳴に似た叫び声……静まる時間はほんの僅かな時間だけ。だけど泣いてる暇なんてない。私が泣いたところで戦争は終わらない。それなら私は私のできる事をやりたい。もうパパを失った時みたいな……あんな思いは2度としたくない。


あれから数年が過ぎて私も16歳になった。あの日の事で塞ぎ込んでいた私を支えてくれたのはヘンリー、マデリン、神父様だった。



「ビーチェ! 傷薬と包帯を持ってきておくれ」

「はい!」



そして私に新しい道を教えてくれたのは、薬師のロッシ先生。


ロッシ先生とはこの教会で出会った。ロッシ先生は旅をしながらいろんな町や村で薬を売って生活していた。


ロッシ先生が調合した薬で色んな人が笑顔になるのを見て、凄く興味が湧いた。癒しの力を上手く使えないかと思った。だから先生に頼み込んで弟子入りさせてもらった。普段は凄く優しいロッシ先生。だけど薬の事となると驚くほど厳しくなる。