ザザーン、ザザーン……

砂浜に、寄せては返す波の音が響く。

目の前には、透き通った海。上を見上げると、綺麗なオレンジ色の太陽が、丸々と浮かんでいる。

この島へやってきて、二日目。私は、到着した昨日と同じように、こうやって海に沈んでいく夕陽を眺めていた。

沈む夕陽を見るたびに、思い浮かぶのは太陽みたいにキラキラと笑う彼の顔。

きっと私は、あの人を傷つけた。

何にも言わずに彼の前から姿を消すなんて、絶対やってはいけないことだと思う。

今頃、彼は自分を責めているんじゃないだろうか。

私が目の前から消えたのはあなたのせいじゃない。そうやって手紙を残してきたけれど、きっと自分を責めるはず。

それがわかっていて、なぜ私は逃げたのか。

答えは簡単。

私は彼のことを愛していたから。

離れないといけないと頭ではわかっていたのに、六年間も彼の側に居続けたのも、彼のことが諦めきれなかったから。

少しずつ丸い太陽の下半分が地平線に隠れようとしていく中、私は彼と出会ってからの六年間を、ゆっくりと思い出していた。