真新しい制服に身を包んで、この高校の門をくぐったのは、もう数週間前。



華の女子高生だと喜んでいたのも束の間。



入学してから1週間も経たないうちに授業が始まった。



「元気出して、ハルー。机に落書きなんかしてるから悪いのよ?」



「そうだけど……面倒くさい」



授業が終わって、私、美風 羽瑠(みかぜ はる)の肩を叩いたのは高校に入ってすぐ仲良くなった、降谷 詩乃(ふるや しの)。



仲良くなったきっかけは、私の趣味であるイラスト。



教室での席は少し離れているけれど、移動教室になった時にたまたま席が隣になって、私のイラストを詩乃に見られてしまった。



その時に、



『これ、ハルちゃんが描いたの!?すごい可愛いっ』



そう声をかけてくれたのが私たちが仲良くなったきっかけ。