「というわけで、ボランティア部は夏休みをもって廃部となることになりました」

東先生が珍しくもかしこまった様子で告げた。二年に進級し一ヶ月が過ぎた、五月初旬のことだった。

わたしとロクは口を半開きにして目を見合わせ、ナツメ先輩は内心驚いているだろうがいつもどおりの無表情を貫き、スズは顔を青白くし、部長のマサムネ先輩だけは事前に知らされていたのだろう、冷静に聞いていた。
初夏の、まだ日の出ている授業後。

数秒の沈黙のあとで、テットの絶叫が部室に響いた。

「ちょ、ちょっと待って先生! というわけでって、どういうわけ? 廃部って、しかも年度末でもない変な時期に、意味わかんねえよ!」
「吉永落ち着いてくれ。先生だって廃部にしたくないから、できる限りの努力はしたんだよ。でも今回ばかりはどうしてもなあ」
「もう一押し頑張ってよ!」
「先生……スズ、入部して一ヶ月しか経ってないんですけど」
「一ノ宮には本当に申し訳ない。先月の時点ではっきりしてたらまだよかったのに」
「そんなあ」
「つうことは、なんだ、二年のおれたちと一年のスズは、そんな中途半端なタイミングで部活を辞めなきゃいけねえってことなのか」

ロクの問いかけに、東先生は重たそうに首を縦に振る。

「でも、他所への転部を希望するならスムーズに行くよう力にはなるから。それくらいしか、してやれないけど。本当、ごめんな。でももうどうしたって駄目なんだよ」

先生は深いため息を吐き、両手で頭を抱えた。
いつもにこにこしていてのんびり屋である東先生が、こんなふうに深刻な顔をわたしたちに見せたことは、これまで一度もなかった。
その姿はつまり、先生がどれだけ廃部阻止のために奔走したかということ、そしてもう何をしても廃部決定は覆らないことを表していた。
学校が決めたことに、わたしたちは従うしかないのだ。

「じゃあ、あと四ヶ月で、ボラ部はなくなるってことですか」

わたしの呟きに、東先生はもう一度頷いた。