柊くんにカレー春巻きをあげてから、1週間がたった朝。


「柊〜!数学のプリント見せて!提出期限すっかり忘れててさぁ〜!」


「ダメ」


「は!なんでだよ!ケチ!」


「書き写すだけじゃお前のためにならないだろ?ほら、教えてやるから座れ。授業までには間に合わせるし」


「お前、本当いい奴だなぁ」


柊くんは相変わらずいい人で。


「柊くんほんっとイケメン」


「中身までイケメンとか最高じゃん」



相変わらず、人気者でモテモテだ。


教室にいると、やっぱり私と柊くんは住む世界が違うなと改めて感じる。


それでも、見惚れちゃうほどかっこいい。
私はほかの女の子たちと同じように柊くんの後ろ姿を見つめる。


「あ、緒方さーん」


っ?!


突然、振り返った柊くんとバッチリ目が合ってしまったと思ったら、こちらに手を上げながら私の名前を呼ぶ柊くんがいるではありませんか。


何事?!