* 彩葉 side **



「おお、似合ってるぞ、彩葉」

「えへへ、ありがとう」



日曜日。兄様と麗美さんの結婚パーティー当日の朝。



パーティー用のドレスを身に纏った私の元へ、兄様がやって来てくれた。




お互いブラコン、シスコン、な自覚はある。


それくらい私は兄様が大好きで、そんな兄様が私のドレス姿を褒めてくれたから舞い上がってしまっていた。



「椎名には見せたのか?」

「っ、まだ、だけど」


不意に上がった李樹の名前に、ドキンと胸が鳴る。




兄様は私が李樹を気に入ってるのを知っていた。


鋭い兄様のことだ、それが恋愛感情になってることくらい察しがついているだろう。