市谷に彼氏がいる、という俺の勝手な誤解も解けて

和樹も芸能活動のため、またあまり学校に来なくなり

俺たちにはいつもの日常が戻ってきた。

変わったことと言えば、あの日以来、玲二の俺を見る目くらいだ。

玲二は未だに俺の市谷への想いを理解できないらしい。

別に、玲二に理解してもらおうとか思ってないし、されたくもない。

市谷のいいところとか、可愛いところは俺だけが知っていればいい。

他の奴に知られて、ライバル増えても困るしな。

・・・まあ、玲二が誰かに本気になるとか信じられないから、大丈夫かな。

「おまえ、今日も行くわけ?」

もう隠す必要もなくなったので、放課後に図書館で二人で過ごしていることも玲二は知っている。

「うん、まあ。」

「へえ~。」

「んだよ、その顔。」

「別に。なんつうか、俺の中の章吾のイメージと違いすぎて。」

玲二の中で、俺ってどんな奴なんだ?

「は?つか、俺を勝手にイメージづけるなって。気持ち悪いな。」