ホイッスルの音、みんなの応援の声、騒がしい校庭

……とは離れた校舎の中、教室にて。





「この前、千紗とハグしてたとこ他の子に見られちゃってさー」


「…この前?」


「ほら、駅んとこで」





あぁ、あの時のか…

なんて、思いながら思い出す


藤堂に振り回されて大変だったなぁ。





「あの子だれ?って。めっちゃ聞かれんの」


「そりゃ、あんたのこと好きなら気になるに決まってるじゃん」


「でもさぁ、彼女でもなんでもないんだよ?
ほっとけよーって、思う」





言いながら、私の髪の毛をくるくる指に絡ませて遊ぶ藤堂





「んっとに…疲れるー…」





ギュッと抱きしめる力を強くするから、

少し苦しいわけで。