「ダメ」
「いや、あのダメとかじゃなくて…!」
家までの帰り道。
今日は私から大貴に『一緒に帰ろう』と誘った。
ちゃんと、松下くんと正式に付き合ったことを報告するために。
だけど…。
私の話を聞いた大貴は案の定カンカンに怒った。
「祐実は騙されてんだ!あの男に!それは恋なんかじゃねー!」
大貴はアパートの階段の前についてもずっと怒っている。
「私も信じたくないって思ってたんだけど」
「いや、絶対騙されてる!あいつ男子の中では遊んでるって有名だぜ?祐実も傷つく前に…」
「それ多分、松下くんがモテるの僻んだ人が広めたデタラメだよ」
だって松下くんは、ずっと1人の女の子のことを思って夜眠れなくなってたような人だ。
「…祐実、俺が告白した時、お互い好きじゃないって」
「…うん。ごめんなさい」