キーンコーンカーンコーン


テストの全日程が終了して、帰りのHRの終了を知らせるチャイムが鳴ると、みんなが一斉に席を立つ。


テストが終わった喜びでクラスがざわざわと騒ぎ出す。


なんか今回のテストは長かった気がするな〜。


無事に終わって一安心。


前の席に座るベージュアッシュヘアの彼は相変わらず倒れていて、友達に起こされていた。


あとは結果が少し心配だけど…。


大丈夫だよね!


「祐実っ!」


教室の後ろのドアから呼ぶ声がして振り返るとそこには私の幼馴染みが立っていた。


「大貴っ!」


私はカバンを持って走って彼の方へ向かう。


『テスト終わったあと出かけない?2人だけで』

大貴とはテスト前にそんな約束をした。



「祐実〜!大貴くんと予定あるの?」

あっ。

あいちゃんが、こちらへ歩いてきながらそう聞いてくる。


「うぅ、ごめんあいちゃん」


「…え〜今度は大貴くんに祐実を取られちゃうのか〜」


あいちゃんが残念そうに肩を落とす。


「今度はってなんだよ」


鋭い大貴がすぐそう言うので、あいちゃんが『まずい』って顔をする。


「い、いや別に〜」


「あ、じゃああいちゃんも来ない?」


「……」


「いやいやいや!2人の大事な時間を邪魔なんてできないよ…!」


「邪魔なんかじゃないよ!ねぇ、大貴!」


大貴の方を見てそう言う。