それから間もなくしてテスト一週間前となった。
放課後の部活動もなくなり、図書館には人が大勢集まった。
教室に残って勉強する人もいるし、先生に付きっきりで教えてもらう生徒もいる。
わたしは家に帰ると集中できないから、なるべく学校に残って勉強するようにしている。
それでも、途中で飽きてしまうけど。
一週間前なんて早いもので、テストの準備が整っていないにもかかわらず容赦なくやって来た。
だけどそれと同時に、始まってしまえばすぐに地獄のようなテスト週間も終わっていった。
テストを乗り越えれば、もう短縮授業で気分は夏休みモードだ。
テスト最終日はクラスの友達とカラオケに行き、苦痛だった二週間のストレスを発散した。
冷静になり、ぼーっとしていると、ふと陵のことを思い出した。
あれからほとんど顔を見ていない。
廊下ですれ違うことはなかった。
クラスが離れているせいか、使う階段も違うし、学食なんかもわたしは利用しないからか、会うことはなかった。
集会などで集まるときに遠くから顔を見たくらい。