そんな私の現状に、さっきみたいな理一君の態度は混乱を生む。

だって私にとって理一君はやっぱり従兄弟でしかないのに、理一君は違うってことなんだろうか?

「あんな風にテレた理一君、初めて見たな」

もしかして理一君が私に過保護なのは、好意をもってくれているから?それは男女としての好意?もしそうなら私の心はそんな展開についていけるんだろうか?



仕事終わり、頭がグルグルした私の足は無意識に樹くんのマンションに向かっていた。

「ごめんね、昨日来たばっかりなのに」

低いテンションで謝る私に、樹くんは今日も優しい。

「気にしなくていいって。昨日も言っただろ? 俺は柚珠奈がここに越してきたらいいって思ってるくらいなんだからさ」

相変わらず本気かと勘違いしてしまいそうな冗談を言う樹くんに、今日の私は反応出来ない。笑おうとして困ったようにしか見えない表情をするのが精一杯。

「柚珠奈、なんか俺に相談したいことあるんだろ? 全部話しちゃえよ」

あ、ダメ。そんな風に言われたら泣いちゃいそうだ。