「……んー、どれもイマイチ…………」




入学してからあっという間に9月下旬。




休み時間ごとに雑誌を見ては、唸り声をあげる。




「一応聞くけど、何をそんなに唸ってるの?」




学食の日替わりランチ、唐揚げ定食を食べ終えた未来が若干眉間にシワを寄せて聞いてきた。




一応ってあたし結構ずっと唸ってたよ?
早く聞いてくれてもよくない?




そう思いながらも見ていた雑誌を未来に渡す。




「……短期アルバイト情報?あんたバイトするの?」


「うん。だってもうすぐだし」


「何が……あー、テツさんの?」




テーブルに置いた腕に顎を乗せて首を縦に振る。




もうすぐテツの誕生日がある。
テツの彼女になって初めての誕生日だから、それなりに素敵なプレゼント買ってあげたいし。




だからあたしは今、短期のバイトを探している。




でも探してもなかなかいいバイトが見つからなくて、現にこうして唸っている。




「あ、ここは?キャバクラなら短期間でかなり稼げるよ」


「いや、待ってよ未来さん。
あたしがキャバ嬢できると思う?」


「…………無理だね、それじゃ」


「ちょっと!?どこ見て言ってんの!?
どうせちっさいですよ!身長も、ここも!」




未来がじっと見つめるあたしの胸を慌てて腕で隠した。