紫苑side


「なー!今日だよな!?」


「何がですか?
何度も言っていますが主語がありませんよ。

転校生なら明日です。」


ガヤガヤと騒がしい教室よりも
騒がしい黒鉄(くろがね)と、
主語がないという割には答える匡(きょう)。


転校生が珍しいのか黒鉄は楽しみにしている。


「なんだよ…明日かよ!!」


「黒鉄ってばそれしか言ってないよ?
でも…この時期に珍しいよね。

ね、紫苑(しおん)」


名前を呼ばれて手帳を開き、
ペンで文字を書く。


【そうだな。】


「俺にそれは必要ないってば〜(笑)」


捺央(なお)は、
俺が声が出ないのに言いたい事が分かる。