カンカンカン……と鳴る踏切の音に包まれながら目をあければ、そこは見慣れた教室。

窓の外には爽やかな青空が広がっている。



そんな中、突然背中を蹴られ、床に膝をつくと、当たり前のように多数決が行われた。



『なぎさのことうざいと思う人』

『はーい』

『全員賛成、ってことでなぎさ有罪~』



腕を引っ張られ

髪を掴まれ

床に伏せれば手を踏まれ

頭から、水をかけられる。



痛い

つらい

苦しい

誰か、たすけて

だれか



そう助けを呼びたいのに、声が出ない。

いつしか世界の音はすべて、踏切の音にかき消された。



くるしい

くるしい

くるしい





しに、たい