ただアイツを見つめていただけなのに、時が経つのは恐ろしい程早かった。


スポーツ大会を終えた体育館には誰も残っていなくて、あたしは逢坂に言われた通りここで待つ。


――スポーツ大会は、数分前に終了した。


“総合優勝は3年D組~~~!!!”


マイク越しのその発表と、生徒たちの盛り上がった声。


その熱気がまだこの体育館には残っていて、静かになりきれない空間にあたしはただ座り込んでいた。


そして。


優勝したのは、逢坂のクラスだった。