それから、私も君も受験生としての自覚をもって、


体調管理をしっかりしながら、

毎日、新しい問題を解いては、間違い直しをやって、頭に体に叩き込んだ。



少しずつミスを減らして、少しずつ解ける問題を増やした。



もちろん不安な気持ちはあるけれど。



2人とも、きっと、大丈夫。



そう思えるようになっていた。




そう、信じていた、


はずなのに。




「え? うそ。やだ……」




「ごめんな。いず。でも家族は置いていけない。いずだってまだ15歳だし、一人で暮らせるわけないだろ?」




「北高と同じレベルの進学校、向こうにもあるわよ。パパの出世は、仕事頑張ったごほうびなんだから。分かってあげて」




冬休みに入った頃。


お父さんとお母さんは、困った顔で私に言葉をまくしたてた。