******************




「待たせてごめんね」


待ち合わせの時間に30分も遅刻した私と颯太を、眠そうに待っていたのは翔太さんの妹で、友達の依子だった。


「別にいーよ。立ちながら寝るという技を習得できそうだったから。」


「でも、依子が土曜日に休みなんて珍しいね。」

「私もたまには土日に休みくらい貰うさ」




結局、休みの朝当日になっても、予定が決まらなくぐずぐずしていた所に依子からお誘いの電話が入った。


無料のキッズパーク。
かかるのは駐車場の料金のみで、親は座りながら遊んでられるといった奇跡の遊び場は

無料とは思え無いほどの設備に驚いた。


ジャングルジム形式の大きな遊具には秘密基地の場所があったり、滑り台がついていたり、颯太も目を輝かせてジャングルジムに上り始めた。



「誘ってくれたお礼」そう言いながらジュースを手渡す。

私たちは颯太から一緒に遊ぼう攻撃を受けるまではジャングルジム前にあるテーブルでお喋り。


「子供もいないのに、よくこんな施設知ってたね」

「ああ、知ってたのは私じゃなくてお兄ちゃん。

イベントの時は有料らしいけど、イベントの無い日は無料解放してるらしいよ?


結花や颯太と会ってから子供の遊び場を色々、調べてるみたい」


「翔太さん…が?」

ドキリとした。