「やあっ!」


「はああっ!」



波乱の入学式の翌日。


天候に恵まれた土曜の今日、暖かな木漏れ日をいっぱいに浴びた浅原道場では、初心者の稽古が行われていた。


子ども達の元気な声が、道場の外にまでひっきりなしに響き渡る。


その様子は、私が昔よく見ていたものと変わらない風景だった。


……ある1つを除いては──。



「うん、良い感じだね。皆、もう少し腰を落として」


「「はい!」」



──そう。


それは、おじいちゃんの代わりに、“犀川くん”が道場生を指導しているということ。


男女関わらず小学生から中学生まで幅広い生徒達が、彼の前で汗を流している。


……しかし、何故今こんな状況になっているのかというと。


その原因は、昨日突然引き起こった。