私のプチ遭難事件から数週間後―





「篠岡ー、プリント見してくんない?」


「いやいや!私バカだよ!?」


「だいじょぶ。俺よりは出来るから。」



私の隣の席の男子が私のプリントを自分のものに書き写す。



遠足からクラスの人とも仲良くなれて、最近は男子ともよく話すようになった。



昔は女子と固まってばかりいたから、すごい進歩だ。

葵と山口くらいしかまともに話したことなかったかも。




「さんきゅ。」


「いいえー」




彼の名前は滝沢くん。



みんなと仲が良い人で、クラスのいじられ屋って感じの人。




口下手な私でも滝沢くんとなら話しやすかった。