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それ以来、愛世は毎日街へと出掛けた。

自分だけでは到底行けなかったので、セロに頼み連れていってもらった。

セロが夜勤の時は、彼の親友で別の部隊のロイがその役を買って出てくれた。

城にある使用人専用の出入り口は顔馴染みの兵達が警備していたので、愛世が出入りしても止められはしなかった。

愛世は街へ行くと、出来る限り歩き回った。

連れていってもらっている関係で街で自由になる時間は一時間だけであったが、それでも少しずつ前に進めた。

街からの帰り道、セロはいつも愛世に訊ねる。

「今日はどうだった?」

「うん、良い感じよ。今日も連れてきてくれて本当にありがとう」

愛世はセロの馬に揺られながら決まってそう答えると、感謝をこめてペコリと頭を下げるのだった。

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「じゃあな、愛世。また明日」

「うん。じゃあねセロ。ありがとう」

ある日の帰り道、馬から降ろしてもらった愛世は守護神ドロスの神殿へと足を向けた。

愛世が刺された満月の夜から、神殿では休みなく祈祷が行われている。

巫女たちは交代でドロス神に祈りを捧げ、エリーシャの甦りを阻止しようと必死だった。

愛世が寝かされていた宮殿の部屋は巫女たちの祈りの声が絶え間なく聞こえていて、愛世は一目神殿内の様子を見てみたいと思っていた。

暫くして神殿の正面に眼を向けると、入り口付近で数人の近衛兵が輪になって話し込んでいるのが見えた。