「なにこれ!!」

佐藤さんは俺達の姿を見るなりああっと悲しい悲鳴を上げた。

「あはは……。つい、やっちゃった……」

俺と双子とひろむくんは全身泥だらけで玄関のたたきに立ち尽くしていた。

公園でキャッチボールをして遊んでいた時はよかったものの。

すっころんだひろむくんを助け起こそうとした際に、陽くんに背後からぶつかったせいで水たまりにダイブしたのがいけなかった。

俺が止める間もなく恵ちゃんと陽くんは俺に浴びせるように、はしゃぎながら水たまりの泥水を蹴りあげたのだった。

そのおかげでここにいる全員が佐藤さんのお説教を受ける羽目になった。

「鈴木くん!!どうしてこんなに泥だらけにさせたの!?」

「ゴメンナサイ」

「ごめんなさい」

「ごめんなさい」

「ごめんなさい」

4人そろって謝罪すると、ため息をついた佐藤さんが廊下を真っ直ぐ指さした。