私の小さな手に残ったもの



それは……ケンとの約束と、高校1年分の単位だけ。



一人ぼっちなその身を抱え、それでも歩いていくしかない。



何をしたらいい?



私がケンのように転校する事に意味なんてない。



だから考える。



どうしたら正解なのか。



どうしたら幸せになれるのか。



誰かに話す事さえ出来ず、悩んだ末に私が出した結論は



「ケンが迎えに来るまでに一人暮らしをしよう!」



そんな答えだった。



それなら、ケンの両親の呪縛からだって、逃げられるに違いないから。