昼休み。

俺は玲二をはじめ、仲がいい男子数人と理奈を待っていた。

でも、俺以外のみんなを隠れさせている。

「おい『いいもの見せてやる』ってなんだよ?」

隠れている玲二が言う。

「もうちょっとだから静かにしてろ!

いいか?俺が『いい』って言うまで絶対でてくんなよ?」

俺が言うと、玲二は静かになった。


さあ、理奈、早く来い。

刑罰の時間だ。

市谷を巻き込み、傷つけようとした、罰だ。



ガラガラ・・・・

扉が開いて、笑顔の理奈が飛び込んできて、俺はニヤリと笑みをもらす。

でも、すぐに笑顔をつくり

「待ってた。」

と理奈に言う。

その言葉を真に受けて、馬鹿な奴。

「あれ?玲二くんたちは?」

「ごめん。呼んでない。

理奈と、大事な用があるから。」

「・・・・え?」

真剣な目で見つめると、相手は期待に満ちた目で見つめ返してくる。

「理奈・・・・。」

甘く甘く・・・名を呼んで一歩ずつ近づく。

「・・・・章吾。」

とろんとした目で俺を見る理奈。


距離を一気に縮め、理奈の頬に触れる。

「赤くなってる・・・。」

「だ、だって・・・。」


・・・この位置だと、俺が邪魔で玲二たちに見えないか。

そう思い、少し体勢を変え、理奈のすべてが他の奴らに見せるようにする。