……ここも大した事ないな。 床に転がる男たちを一瞥し、黎へと電話を掛ける。 《どう?終わった?》 「ああ。だが目当ての情報はなかったぞ」 ゴミのような資料の束をばら撒きながらその場を後にする。 《うーん…やっぱりか。まぁいいや、後始末はするからもう帰っておいで》 チッ…元々可能性が低いと分かっていやがったな。 「分かった」 通話を切り、薄暗い路地へと足を踏み出す。