―――祐史side




「あっ、祐史。お弁当持った??」

「持ってる。」


毎朝恒例の母親の台詞。


俺の返事も決まってる。
だから聞かなくてもいいのに。


おせっかい。


「いってらっしゃい。」

「ん。」


俺はとりあえず
返事だけして

いつも通りの時間に家を出た。



「・・・。」


今朝は妃の姿はなかった。





...風邪でも引いたか...?