店内には早すぎるクリスマスソングが流れていた。 私は、普段食べない袋菓子やペットボトルのジュースを胸に抱えてレジへと向かう。 バラバラっと台に置いてから、ゆっくり顔を上げた。 彼はただ黙々とバーコードを読み取っている。 見るだけで精一杯で、何も言葉にできない。 いつものように朝の店内は騒々しくて、すでに私の後ろには人が並んでいる。 できるだけ、彼の手が触れるように いつも千円札、を渡す。