「ん~、さや。もっと、こっち来いって」

「これ以上、寄れないよ……」

「……んだよ、そんなコト言うなって」

今、私は……

当麻くんと海に向かって、寄り添って座ってる。




さっきタクシーから降りた道の駅の周りにある、人工ビーチ。

そこではマリンスポーツを楽しむひとがいて、

遠目にそれを眺めながら、当麻くんとのんびり過ごしていた。

潤くんが私にコクったのにヤキモチ妬いて、

当麻くん、レナと潤くんと別行動するって言いだして……。

ふたりと昼食をとったあと、勝手にタクシーで観光してこいって言って、ムリに帰しちゃったんだ。

潤くんはイヤがってたけど、潤くんに好意持ち始めたレナは乗り気で、

当麻くんに『さっすが、気が利くわねー!』って、逆にお礼言ってたっけ。



タクシーでのキスは、あんなに強引だったのに……

こうやって、やたらと甘えてくる当麻くんが、スッゴクかわいい。

こんな当麻くんは、滅多に見れないかも。

「さや~、膝まくら」

「えぇっ!?」