ふざけるのはおよしになって

私の行く道を通せんぼ
かと思えば衣服の隙間から入る冷たい手

からかうのはおよしになって

努めていれば耳元で囁く甘い罠


夕べはどこへ行ったのか
男と逢っていたのか
どうせいいことをしてきたのだろう

そう言われて耳を齧られれば 私は溶けて無くなりそう


結ばれる理由も理屈もいらぬだろう
貴方は私にそう言いました

その肩に身を委ね 何をされても厭わない
貴方の言葉に酔いしれてしまったのは 月があんなに綺麗だったから


赤い襦袢 山高帽 はいからブーツ
肩に乗せた雪を 優しく払い
私はきっとあの時から 貴方に心を奪われていたのでせう
それを騙し騙しここまでやって来た

もう嘘は吐きませぬ故 ご安心を


愛するが故 愛したが故
貴方は私の首を絞めるのでせうか
腰帯で腕を縛り 首を絞めるのでせうか


四番目の指 断ち切りませう


永遠の愛を誓いませう



堪忍して 堪忍して すぐに逝くからな




貴方の言葉 信じて

私は先に参ります


このきつく縛り上げた腕

これに偽りは無いでしょう



だからほら 貴方の目が微笑んでいる

大人で子どもな貴方の目




私は貴方が大好きでした



だからほら 最期の口付けを