ケータイ小説 野いちご

✧*。〈BL〉先輩、結婚して下さい‼*。✧

第六話∬先輩の秘密

先輩は何を
隠してるんだろうか?

それを、知るべく
三年生の階に来た。

「お?
守藤、尚に
会いに来たのか?」

声を掛けて来たのは
先輩の幼なじみで
俺たちと同じく
同性が恋人がいる
早川先輩だった。

『あのですね』

俺は最近あったことを
少し省略しつつ説明した。

「成る程
尚がそいつを
どうやって黙らせるのか
知りたいがために
此処に来たわけか」

頷くと早川先輩は
先輩の過去を
教えてくれた。

何と先輩は
中学時代
グレてた時期が
あったらしい。

今の先輩からは
まったくもって
想像がつかない……

「信じられないだろう?」

口を開けたまま頷いた。

まさに、
開いた口が
塞がらない状態だ。

「相手が何処の
どいつか知らないが
尚を本気で怒らせたなら
そいつ、もう終わりだな」

ぇ……

『先輩、
そんなに強いんですか?』

ビックリだ。

「何だったら
見に行くか?」と
悪戯っ子みたいな
笑顔で訊かれ
放課後、早川先輩と
見に行くことにした。

**放課後**

先輩のことを
考えてたせいか
午後の授業は
さっぱり覚えていない。

早川先輩と
待ち合わせて
旧校舎にやって来た。

「尚はさぁ、
一度キレるとオレ以外
止められる奴
居ないんだわ」

やっぱり、想像出来ない。

話ながら旧校舎の
階段を上って行く。

着いたのは、
三階の空き教室で
近づいてみると
二人の声がした。

『よくもまあ、
俺の恋人を
脅してくれたもんだなぁ』

何時もより幾分か
低い声で何となく
キレてるのが分かった。

「ふん、
お前に何が出来」
「んだよ」とまで
言えなかった。

それもそのはず、
言い切る前に
先輩があいつを
蹴り飛ばしたからだ。

ぶっ飛んだ!?

「あぁ、
やりやがった」

一歩後ろに下がって
見ていた早川先輩が
小声で言った。

うわぁ、マジか……

教室内の机は
全部寄せてあり
先輩とあいつが
居る所は広々としていた。

よって、あいつは
壁に激突した。

しかし、先輩は
そんなこと気にせず
胸倉を掴んで
無理矢理起こし、
今度は殴り飛ばした。

怖い……

あんな夜叉みいな
顔をして、相手が
俺を脅した奴だからって
あそこまでしなくても……

「怖いか?」

俺の表情(かお)を見て
早川先輩が聞いた。

『怖いです』

嘘をついても仕方ない。

「中学時代、
喧嘩ばかりしててな、
オレもそれなりに
強かったんで
二人して、喧嘩三昧。
でも、高校に上がる頃
担任に「喧嘩ばっかしてると
内申に響くから」って
言われて、それを機に
二人で喧嘩をやめたんだ」

そんな過去が
あったなんて
知らなかった。

「尚はあの頃のことを
あんまり言いたく
ないんだと」

小さくクスッと笑った。

俺には早川先輩から
バレちまったけどな。

話してる内に
ケリが着いたみたいだ。

『俺に勝とうなんて
最初から無理なんだよ』

そう言って、先輩が
こっちに歩いて来たから
急いでその場を離れた。

見つかることなく
早川先輩と二人
新校舎に戻って
先輩の教室に居た。

『は?』

教室に入って来た
先輩は俺たちを
見て間抜けな声を発した。

その声は先程の様な
怒気の含まれた
低い声じゃなく、
何時もの声で安心した。

「よう」

早川先輩は
何事も無かった様に
片手を挙げて言った。

『そういうことか』

俺と早川先輩を
交互に見て、
ため息を一つ吐いた。

『あの時の気配は
お前たちだったんだな』

ビックリしてる俺と
ニヤリと笑った早川先輩。

『佳稀、
何で悠真に教えた?』

呆れた声色で
先輩が尋ねた。

「何でって
言われても、
守藤がお前を
心配してたから
知らないよりは
見て知った方が
安心すると思ったからだ」

早川先輩は最後に
「バーカ」と言って
教室を出て行った。

『ありがとうございました』

そう言ったら
何も言わず
右手を挙げて振り
そのまま、
見えなくなるまで
俺は廊下に立っていた。

『悠真』

呼ばれ中に戻った。

『喧嘩、
強かったんですね
教えてくれれば
よかったのに』

椅子に座ってる
先輩の前に屈んで言った。

『出来れば、
知られたく無かった』

俯いて、ボソッと呟いた。

『何でですか?』

俺は知れて
よかったと思っている。

『何となくだ』

俺は立ち上がって
先輩の顔を覗き込んだら
逸らされた。

『分かりました
じゃぁ、帰りましょう』

きっと、
問い詰めても
先輩は俺に
話さなかった理由を
教えては
くれないだろうから。

座ってる先輩の
手を掴んで立たせ、
そのまま、繋いで
学校を出た。

『今日、
泊まっていいですか?』

平日だけど、泊まりたい。

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